今出川(読み)いまでがわ

精選版 日本国語大辞典 「今出川」の意味・読み・例文・類語

いまで‐がわ ‥がは【今出川】

[1]
[一] 室町時代頃まで京都市上京区一条東の洞院通りのあたりを北から南へ流れていた川。
徒然草(1331頃)五〇「今出川の辺より見やれば」
[二] 京都市内を東西に通じる通りの名。左京区銀閣寺町から、上京区京都御所の北側を通り、北区等持院西町まで。中世北小路にほぼ相当する。
[2] 〘名〙 「いまでがわどうふ(今出川豆腐)」の略。〔随筆・俗耳鼓吹(1788)〕

いまでがわ いまでがは【今出川】

家名(姓氏)の一つ。藤原北家閑院(公季)流、西園寺家庶流。西園寺実兼の子兼季が、鎌倉末期~南北朝期に一家創立。兼季の兄公顕が先に今出川を称しており、その後嗣に兼季が入ったとする説もある。家格は清華家で、つねに政治の中枢にあった。一六世紀半ばにでた晴季は武家伝奏となり、秀次に娘を嫁すなど、豊臣秀吉と密接な関係をもち、勢を張った。琵琶の家。

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日本歴史地名大系 「今出川」の解説

今出川
いまでがわ

今出川の現流路暗渠となっており、下流東京極大路ひがしきようごくおおじ(現寺町通)を南下する流路はなか(京極川)と称されていた(→中川。「徒然草」第五〇段に応長年間(一三一一―一二)の話として女の鬼についての記述があり、その中に

<資料は省略されています>

とあり、この時代に今出川が一条通辺りまで南下している南北の流路であることがわかる。

「山州名跡志」は北小路きたこうじ(現今出川通)の解説中で、

<資料は省略されています>

とする。「坊目誌」は今出川を御用水と称し、「賀茂川の分水にして、愛宕郡大宮村より来り、相国寺を経て皇居地に入る、幅員四尺、水深五寸とす」「上御霊竪町より来り、相国寺境内を貫流して禁苑に注ぐ、幅二尺五寸より一間に至る、此町を通過する延長二百三十間とす」と明治末期の今出川を説明する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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