森山啓(読み)もりやまけい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「森山啓」の意味・わかりやすい解説

森山啓
もりやまけい
(1904―1991)

小説家詩人評論家。新潟県に生まれる。本名森松慶治。東京帝国大学美学科中退。社会文芸研究会、新人会を経てナップ系の詩人、評論家として活躍。それらは詩集『隅田河』(1933)、『潮流』(1935)、評論集『文学論』『文学論争』(ともに1935)等にまとめられている。転向後昭和10年代以降は浪漫(ろうまん)性にあふれた小説を発表、『日本海辺』(1939)、『遠方の人』(1941)や新潮社文芸賞を受賞した『海の扇』(1942)等を刊行した。第二次世界大戦後は石川県小松市に在住し、小説集『青海(あおうみ)の簾(すだれ)』(1956)、『野菊の露』(1980)などの著作を刊行。

[大塚 博]

『『日本現代文学全集89 森山啓他集』(1968・講談社)』『神谷忠孝著『森山啓』(『日本文学研究資料叢書 プロレタリア文学』所収・1971・有精堂出版)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「森山啓」の解説

森山啓 もりやま-けい

1904-1991 昭和時代の詩人,小説家。
明治37年3月10日生まれ。中野重治らとプロレタリア文学運動に参加し,詩と評論に活躍。昭和11年「文学界同人となり,小説に転じる。戦後は石川県で作家活動をつづけた。平成3年7月26日死去。87歳。新潟県出身。東京帝大中退。本名は森松慶治。詩集に「潮流」,小説に「海の扇」など。

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