活断層法(読み)かつだんそうほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「活断層法」の意味・わかりやすい解説

活断層法
かつだんそうほう

アメリカ合衆国カリフォルニア州で1972年に制定された、活断層沿いの土地利用規制に関する法律(州法)。

 1971年にサンアンドレアス断層という右横ずれの活断層が活動してサンフェルナンド地震が発生した際、活断層の真上にあった家屋の80%が破壊されたとされる。そのため、カリフォルニア州は、翌1972年に活断層法を制定した。この法律の趣旨は、断層がずれることによって直上にある建物が破壊されるという事態を避けようというもので、地震の揺れから建物を守ろうというものではない。同法によると、活断層から両側それぞれ約15メートル(50フィート)の範囲には、新たに建物を建ててはならないとし、活断層から約150メートルの範囲まで、つまり活断層を含んだ幅300メートルの地帯に建物を建築する場合は、地質調査を行って活断層がないことを確認しなければならない。活断層の位置が確認できた場合には、活断層から約15メートル以上離して建築しなければならない。不動産業者は、土地や建物が幅300メートル以内にある時は、購入者にその旨を告知する義務がある。

 日本でも、活断層の真上に、高速道路や建物がつくられていることがかなりあるので、同様の規制が必要だとする研究者の指摘がある。

[村田明広]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android