浸剤・煎剤(読み)しんざい・せんざい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浸剤・煎剤」の意味・わかりやすい解説

浸剤・煎剤
しんざい・せんざい

浸剤は生薬 50gに精製水 50mlを加え,約 15分間浸したのち,熱精製水 900mlを注ぎ,数回かき混ぜながら5分間加熱し,冷却後,布ごししてできたものをいう。浸出されやすいもの,揮発成分を含むもの,または熱により分解されやすい生薬の有効成分の抽出に適用される。ジギタリス吐根,麦角,センナ葉セネガオンジ,桔梗根などが浸剤とされる。煎剤は生薬 50gに精製水 950mlを加え,数回かき混ぜながら 30分間加熱し,布ごししてできたものをいう。長時間加熱しないと有効成分が抽出されにくいもの,有効成分が不揮発性のもの,または多くの蛋白質を含み,浸剤のように熱湯へ浸すと表面の蛋白質が凝固して有効成分の抽出を悪くするもの (キナウワウルシなど) に適用される。キナ,石榴マクリ,コンズランゴ,ウワウルシなどの煎剤がある。浸剤との相違は浸出時間の長短,使用する水の温度,布ごしする時間にある。双方とも腐敗しやすいので,使用時に調整するか保存剤添加の必要がある。

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