① ザクロ科の落葉小高木。ペルシア地方原産で、果樹として、また観賞用に広く世界各地で栽植され、日本へは平安時代に渡来し、本州以西の各地で庭木などにされる。高さ五~一〇メートル。幹にはこぶが多い。密に分枝し、若枝は四角柱状。しばしば枝はとげとなる。葉は短柄をもち、ほぼ対生、倒卵形または長楕円形で長さ約四センチメートル。六、七月、枝先に赤い筒状の萼(がく)と五~七枚の花弁をもつ花が数個咲く。果実は球状で黄橙色に熟して不規則に裂け、甘ずっぱい液に富む種皮をもつ種子を露出する。根は漢方でサナダムシの駆除薬に使う。漢名、安石榴。せきりゅう。じゃくろ。《 季語・秋 》