石榴(読み)ザクロ

デジタル大辞泉 「石榴」の意味・読み・例文・類語

ざく‐ろ【×榴/××榴】

《「じゃくろ」の直音表記ミソハギ科の落葉高木。葉は長楕円形。6月ごろ、筒形で多肉質のがくをもつ橙赤色の花をつける。果実球形で、紫紅色に熟すと裂けて種子が現れる。果実の外種皮食用に、また樹皮駆虫薬に用いる。ペルシア地方の原産。せきりゅう。じゃくろ。 実=秋 花=夏》はずとも―興ある形かな/太祇

じゃく‐ろ【×榴/××榴】

ざくろ」に同じ。

せき‐りゅう〔‐リウ〕【石×榴】

ザクロ別名

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「石榴」の意味・読み・例文・類語

ざく‐ろ【石榴・柘榴】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ザクロ科の落葉小高木。ペルシア地方原産で、果樹として、また観賞用に広く世界各地で栽植され、日本へは平安時代に渡来し、本州以西の各地で庭木などにされる。高さ五~一〇メートル。幹にはこぶが多い。密に分枝し、若枝は四角柱状。しばしば枝はとげとなる。葉は短柄をもち、ほぼ対生、倒卵形または長楕円形で長さ約四センチメートル。六、七月、枝先に赤い筒状の萼(がく)と五~七枚の花弁をもつ花が数個咲く。果実は球状で黄橙色に熟して不規則に裂け、甘ずっぱい液に富む種皮をもつ種子を露出する。根は漢方サナダムシの駆除薬に使う。漢名、安石榴。せきりゅう。じゃくろ。《 季語・秋 》

▼ざくろの花《 季語・夏 》

  1. [初出の実例]「十九口棗瓶、十一口柘榴瓶、一口洗豆瓶」(出典:大安寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)二月一一日)
  2. 「若長か机のうへのざくろかな」(出典:俳諧・夜半叟句集(1783頃か))
  3. ( の実が熟すると口を開けるところから ) ばか、あほうをいう隠語。〔モダン語漫画辞典(1931)〕

石榴の語誌

( 1 )の花は漢詩に詠まれ、また、「あしひきの山さくろ咲くやみねこえし鹿まつ君かは祝ひまつかも」〔古今六帖‐六〕という古歌もあるが、実を詠んだ例は古歌には見えない。
( 2 )の実は、仏教では鬼子母神象徴で、その味が人の血の味に似るとされた。また、室町以降寛永頃まで、実の酢が鏡磨ぎに用いられた。


せき‐りゅう‥リウ【石榴】

  1. 〘 名詞 〙ざくろ(石榴)
    1. [初出の実例]「桃柳石榴(セキリウ)等の、樹下にして、神供并施餓鬼をせぬは、何そ」(出典壒嚢鈔(1445‐46)一〇)
    2. 「庭の盆栽棚に咲懸けた柘榴(セキリウ)の盆栽をまじまじ眺めながら」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉上)

じゃく‐ろ【石榴・柘榴】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「じゃく」は「石」の呉音 ) =ざくろ(石榴)
    1. [初出の実例]「林檎。石榴(シャクロ)。梨」(出典:尺素往来(1439‐64))
    2. 「やがて石榴(ジャクロ)のように赤く裂けてしまう者が多勢いた」(出典:鮫(1963)〈真継伸彦〉二)

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普及版 字通 「石榴」の読み・字形・画数・意味

【石榴】せきりゆう

ざくろ。

字通「石」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「石榴」の解説

石榴 (ザクロ・ジャクロ;セキリュウ)

学名:Punica granatum
植物。ザクロ科の落葉小高木,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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