船越 英二(読み)フナコシ エイジ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「船越 英二」の解説

船越 英二
フナコシ エイジ


職業
俳優

本名
船越 栄二郎

生年月日
大正12年 3月17日

出生地
東京市 四谷区内藤新宿(東京都 新宿区)

学歴
専修大学経済学部〔昭和19年〕卒

経歴
呉服屋の二男。昭和19年学徒動員のため専修大学経済学部を繰り上げ卒業し、陸軍見習士官として敗戦を迎えた。戦後の22年、俳優となった兄・三島謙の友人が冷やかし半分で応募した大映第2期ニューフェースに合格し、間もなく田中重雄監督「第二の抱擁」でヒロインの相手役に抜擢されデビュー。二枚目ながら線が細い印象があり好青年役を多く演じたが、昭和30年代に入ると市川崑監督「日本橋」「満員電車」「穴」、吉村公三郎監督「四十八歳の抵抗」「夜の蝶」などで性格俳優としての評価を確立。34年市川監督の「野火」では、役作りのために何日も絶食して、太平洋戦争フィリピン戦線で飢餓の中をさまよう敗残兵を見事に演じ上げ、キネマ旬報男優賞、毎日映画コンクール男優主演賞などを受賞。コメディから社会派まで幅広くこなし「からっ風野郎」「黒い十人の女」「破戒」「私は二歳」「黒の試走車」「女の一生」「盲獣」など約200本の映画に出演した。大映倒産後はテレビを中心に活躍し、「時間ですよ」「雲のじゅうたん」「熱中時代」「夏!デパート物語」「暴れん坊将軍」などに出演、平成11年の時代劇「隠密奉行朝比奈」を最後に俳優を引退。入れ歯洗浄剤「ポリデント」のCMでも知られた。一方、昭和40年から神奈川・湯河原で会員制の旅荘船越を経営、長女女将をつとめ、引退後は旅館近くの自宅で過ごした。妻は女優の長谷川裕見子で、長男は俳優の船越英一郎。

受賞
紫綬褒章〔平成1年〕,勲四等旭日小綬章〔平成7年〕 キネマ旬報賞男優賞〔昭和34年〕「野火」,NHK助演男優賞〔昭和37年〕「破戒」「私は二歳」 毎日映画コンクール男優主演賞〔昭和34年〕「野火」

没年月日
平成19年 3月17日 (2007年)

家族
妻=長谷川 裕見子(女優),長男=船越 英一郎(俳優),長女=平野 洋子(旅荘船越女将),兄=三島 謙(俳優)

伝記
司会者は見た―昭和テレビ史を生きたスターたちの素顔 小川 宏 著(発行元 講談社 ’08発行)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android