コメディ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

コメディ
こめでぃ
comedy

ギリシア語のkomoidos(おどけたコーラス歌手)が語源だが、ディオニソスの祭に際しての猥雑(わいざつ)な歌や踊りを伴う歓楽に由来する。しかし紀元前5世紀にはアリストファネスの作品にみられるような社会風刺喜劇に発展し、幸福な結末をもつことによって悲劇と対置された。ダンテの『神曲』もこの意味から、天国に至る喜劇に分類される。
 近世においては、人間の類型的なおかしさを扱う「気質喜劇」、人間違(ひとまちが)いを主とした「計略喜劇」、風俗を揶揄(やゆ)する「風習喜劇」、イタリアのコメディア・デラルテに発する「即興喜劇」をはじめ、どたばた喜劇、ナンセンス劇まで多様な広がりをもつ。[船戸英夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

コメディ

〘名〙 (comedy comédie)
① 西洋演劇で、悲劇に対立するもの。必ずしもおもしろおかしいものとは限らない。喜劇。
※小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下「古(コ)メヂイは快活小説とも訳すべし」
② 日本で、観客を笑わせることを目ざした演劇や軽演劇。喜劇。
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉猟官「此程面白いコメヂイは幸ひ日本に生れたお庇で見物出来るンだ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内のコメディの言及

【喜劇】より

…だがいうまでもなく,そのことが,いわゆる〈喜劇〉の中に含まれる特有の精神的価値を損なうわけではなく,その本来的な批判精神とそれが人々に及ぼす精神的な効果(笑い,思考への刺激)というものは,今日の社会においても,なんらかの意味を持つといってよいであろう。
[ギリシア喜劇からモリエールまで]
 コメディcomedyの語源は,ギリシア語のkōmos(祭宴の行列)とōidē(歌)を重ねたコモイディアkōmōidiaに由来する。古代ギリシアのディオニュソスをたたえ豊饒を祝う祝祭行列,男根儀礼,為政者に対する風刺批判の歌などが劇形式に発展し,前5世紀には,喜劇として完成した形式をもつようになる。…

※「コメディ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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