雲南三江併流の保護地域群(読み)うんなんさんこうへいりゅうのほごちいきぐん

世界遺産詳解 の解説

うんなんさんこうへいりゅうのほごちいきぐん【雲南三江併流の保護地域群】

2003年に登録された世界遺産(自然遺産)。中国雲南省北西部のデチェンチベット族自治州と怒江リス族自治州にまたがる地域は、チベット高原源流とする金沙江(長江上流部)、瀾滄江(メコン川上流部)、怒江(サルウィン川上流部)の3つの川が平行して流れている。その1万6984km2の広大な地域が15の自然保護区からなる国立公園(三江併流国家重点風景名勝区)になっており、その美しい自然景観と多様な生物相から世界遺産に登録された。さまざまな気候を持ち、さらに氷山氷河、高山帯、鍾乳洞森林平原沼地など変化に富んだ自然環境がある。このため、非常に多くの種類の動植物が生息している。ここに生息する動物は700種以上で、中国国内に生息する動物の50%、全世界の動物の25%を占める。このうち198種は中国固有種で、80種は中国政府のレッドリストに登録されている稀少な動物である。一方、植物は約6000種が確認されており、その種類の多さはほかに例を見ない。このうち、2700種は中国固有種で、33種が絶滅の危惧される植物で中国政府の保護の対象となっている。◇英名はThree Parallel Rivers of Yunnan Protected Areas

出典 講談社世界遺産詳解について 情報