λ転移(読み)ラムダテンイ

化学辞典 第2版 「λ転移」の解説

λ転移
ラムダテンイ
λ-transition

物質によっては温度変化に伴って一つの相から次の相に移るとき,温度に対する比熱容量曲線がギリシア文字λの形に似た異常性を示すものがある.このような比熱容量の変化を伴う相転移をλ転移といい,そのときの温度をλ温度という.1922年,F. SimonによってNH4Clは242.5 K で異常比熱容量現象を示すことが発見され,P. Ehrenfestによってその現象がλ転移とよばれたのがはじまりである.とくに,液体HeⅠとHeⅡとの相転移をさすこともある(図参照,Tλ = 2.19 K).

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「λ転移」の意味・わかりやすい解説

λ転移
ラムダてんい
λ transition

物質の比熱-温度曲線が,ある温度でギリシア文字のλ形の異常を示すことがある。この異常は潜熱を伴わない二次相転移によって生じ,この相転移をλ転移,その転移温度をλ温度またはλ点という。 1922年 F.シモンが塩化アンモニウムについて発見し,のちに P.エーレンフェストがλ転移と名づけた。狭義には液体ヘリウムIと液体ヘリウム IIの間の相転移をさす。 (→液体ヘリウム )

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法則の辞典 「λ転移」の解説

λ転移【lambda transition】

物質の相変化に対して,比熱曲線がギリシャ文字の λ の形に似た異常性を示すような転移をいう.液体ヘリウムのHe-IIからHe-Iへの転移が有名である.比熱が転移点で不連続であれば二次の相転移,連続的で極大をもつのみならば三次の相転移である.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のλ転移の言及

【相転移】より

…二次相転移の例としては,超流動転移のほか,超伝導転移,磁気転移などがある。超流動転移と大部分の磁気転移では,転移点で比熱が発散し,絶対温度と比熱の関係をグラフに書くと,図1のようにギリシア文字のλに似ていることからλ転移と呼ばれる(狭義には超流動転移のみをλ転移という)。三次以上の相転移は現実には見つかっていないので,第2種相転移の大部分は二次相転移である。…

※「λ転移」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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