アカシデ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカシデ」の意味・わかりやすい解説

アカシデ(赤四手)
アカシデ
Carpinus laxiflora

カバノキ科の落葉高木で,高さ 10~15mになる。九州から北海道南東部,朝鮮半島に分布し,丘陵地や山地肥沃なところに生育する。幹の樹皮は暗灰白色でなめらかであるが,若い小枝には初め短毛が生える。葉は互生し短い柄 (3~14mm) があり,卵形ないし卵状楕円形で長さ3~7cm,幅2~3.5cm,縁に細かい重鋸歯がある。葉身の側脈は7~15対で,同属のイヌシデクマシデより少い。春,葉の展開とともに花を開き,雌雄同株であるが,尾状の雄花序前年の枝の葉腋下垂し,雌花序は新しい枝に頂生する。雄花には花被がなく,8個のおしべがある。雌花序は雌花を穂状につけ,果期には下垂して長さ4~10cmになる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカシデ」の意味・わかりやすい解説

アカシデ
あかしで / 赤四手
[学] Carpinus laxiflora (Sieb. et Zucc.) Bl.

カバノキ科(APG分類:カバノキ科)の落葉高木で、高さは15メートル以上になる。樹皮は滑らかで、灰白色、若枝は紅色を帯びる。葉は長さ3~7センチメートルで、側脈は10~15対あり、若葉のときには紅色を帯び縁には細かい重鋸歯(じゅうきょし)がある。雌雄同株で、春に芽が開くと同時に開花する。果穂は長さ4~10センチメートルで、包葉はややまばらにつく。果穂の包葉の基部には、やや幅広の米粒大の堅果を抱く。北海道南部から九州まで分布し、山地の森林内に普通にみられる。材は、床柱、傘の柄、下駄(げた)、紡績木管などに用いる。名は、新葉が赤く、果穂を四手(しで)(注連縄(しめなわ)などにつける紙)に見立てたもの。

[菊沢喜八郎 2020年2月17日]

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