日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカヤマタケ」の意味・わかりやすい解説
アカヤマタケ
あかやまたけ
[学] Hygrophorus conicus Fr.
担子菌類、マツタケ目アカヤマタケ科のキノコ。高さ5~9センチメートルほどになり、茎は黄色。傘は円錐(えんすい)形で、径は2~4センチメートル、普通は赤色、あるいは色あせた橙(だいだい)色ないしは黄色。全体に蝋(ろう)細工のようで美しい。指を触れたり、古くなると黒くなるのが特徴。ひだは厚く淡黄色で、茎に離生する。胞子紋は白。秋、林内地上に点々と生える。無毒で食用になる。アカヤマタケ属は日本産だけでもすでに60種ほどが知られ、ヌメリガサ亜属、オトメノカサ亜属、アカヤマタケ亜属に大別される。ヌメリガサ亜属にはサクラシメジ、アケボノサクラシメジその他の、優れた食菌がある。アカヤマタケ亜属には赤、黄、朱、桃色などの華麗な色彩をもつキノコが多いが、そのほとんどは小形で、食用の対象となるものは少ない。しかし鮮美な色彩と蝋細工のような可憐(かれん)な姿で人目をひく。
[今関六也]