あきる野(市)(読み)あきるの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「あきる野(市)」の意味・わかりやすい解説

あきる野(市)
あきるの

東京都西部、多摩川支流の秋川および平井川流域にある市。1995年(平成7)秋川市と五日市町(いつかいちまち)が合併して成立。JR五日市線と五日市街道がほぼ平行して東西に通じ、国道411号がそれを横切り、その西側に首都圏中央連絡自動車道(圏央道)が通じ、あきる野インターチェンジがある。東部の旧秋川市域は多摩川が北東縁を区切り、ほぼ南縁を秋川が流れ、両川の間を平井川が流れる。各河川を境に北から草花丘陵、秋留(あきる)台地秋川丘陵高台となっている。秋留台地には国指定史跡の西秋留石器時代住居跡があり、10世紀初めには武蔵(むさし)官牧の一つ小川牧が置かれ、江戸時代以降、桑畑が広がった。西部は秋川の上流域で、五日市盆地を中心とし、関東山地南西縁にかかっている。五日市は秋川の谷口集落で、中世から5の日ごとに市(いち)が立ち、木材や木炭の集散地であった。1960年代以降は東部を中心に住宅地が増え、電気機器、精密機械などの工業も立地した。トウモロコシ、ノラボウ(野菜)などの農業も行われる。自然が豊かで、秋川丘陵、羽村(はむら)草花丘陵は都立自然公園となっており、秋川渓谷は釣りやキャンプが楽しめる。東京サマーランド、リバーサイドパーク一の谷、あきる野ふるさと工房、秋川ファーマーズセンターなどの観光施設がある。五日市地区には光厳(こうごん)寺、広徳(こうとく)寺、大悲願(だいひがん)寺などの古刹(こさつ)があり、大悲願寺本尊、木造伝阿弥陀如来(でんあみだにょらい)及脇侍坐像は国指定重要文化財。面積73.47平方キロメートル、人口7万9292(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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