秋川(読み)アキガワ

デジタル大辞泉 「秋川」の意味・読み・例文・類語

あき‐がわ〔あきがは〕【秋川】

東京都西部の川。関東山地三頭山みとうさんを源として東流し、あきる野市の南東方で多摩川に合流する。上流部の秋川渓谷秩父多摩甲斐国立公園に属する。

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精選版 日本国語大辞典 「秋川」の意味・読み・例文・類語

あき‐がわ‥がは【秋川】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 秋の季節の川。
    1. [初出の実例]「秋川を下る木の葉の如く夥(おびただ)しい人が流れて来る」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉七)
  2. [ 2 ] 東京都中西部、あきる野市の地名。関東山地東麓、平井川と秋川の流域にあたり、古くから養蚕と織物が盛んで、特に黒八丈産地として知られた。昭和四七年(一九七二)秋多町が市制施行で秋川市となり、さらに、平成七年(一九九五)に五日市町と合併してあきる野市となった。

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日本歴史地名大系 「秋川」の解説

秋川
あきがわ

多摩川最大の支流源流檜原ひのはら村から東流して、多摩川中流域の福生ふつさ昭島あきしま両市境付近で多摩川に合流する。約四四キロ。上流の檜原本宿もとしゆくの辺りで浅間尾根を分水嶺として、南秋川と北秋川の二つの渓谷に分流している。地元ではみなみ谷・北谷とよぶ。南秋川の源流は東京・山梨・神奈川の都県境付近にある三頭みとう山に発する三頭沢、北秋川は奥多摩町境にある月夜見つきよみ山を水源とする。南北両秋川はほぼ並行して東流する。

江戸時代、五日市には檜原村や戸倉とくら村・養沢ようざわ村などから産出された木炭が搬入、筏の上荷として江戸方面へと秋川を下った。筏一枚につき永八文の運上を課せられたが、これに従事した筏師は、文化六年(一八〇九)当時小宮こみや領上組二一ヵ村筏師仲間としては六八人を数えている(高尾家文書)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「秋川」の意味・わかりやすい解説

秋川
あきがわ

東京都西部にあった旧市名。1972年(昭和47)秋多(あきた)町が市制施行し、秋川市と改称。1995年(平成7)五日市町(いつかいちまち)と合併し、あきる野市となる。旧秋川市地域は多摩川と秋川の合流点を基点として、両河川に挟まれている。関東山地の東麓(とうろく)に位置し、北の草花(くさばな)丘陵と、南の秋川丘陵の間に、秋留(あきる)台地が広がる。丘陵はともに自然美に優れ、都立自然公園となり、都民の日帰り観光地となっている。国指定史跡の西秋留石器時代住居跡にみられるように、台地開発の歴史は古い。また『延喜式(えんぎしき)』によると、10世紀初期武蔵(むさし)官牧の一つ小川牧が置かれたという。江戸時代以降は桑畑が広がったが、1980年代以降はほとんどみられない。JR五日市線が通じ、1960年の電化以後、住宅地化が進み人口が急増している。総合レジャーランドの東京サマーランドがある。

[沢田 清]

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改訂新版 世界大百科事典 「秋川」の意味・わかりやすい解説

秋川 (あきがわ)

東京都西部の旧市。1955年西多摩郡東秋留(ひがしあきる),西秋留,多西の3村が合体して秋多町となり,1972年市制,改称,さらに95年五日市町と合体して,あきる野市となった。奥多摩山地に発する秋川に沿い,関東ローム層と段丘礫層から成る秋留台地上にあり,北に羽村・草花丘陵,南に秋川丘陵が横たわる。西秋留石器時代住居跡(史),草花前,羽ヶ田の住居跡,瀬戸岡古墳群などがみられるように居住の歴史は古い。江戸中期以降盛んになった黒八丈の生産は大正初めをピークとして減少したが,第2次世界大戦前までは養蚕に転じ,純農村地帯であった。大正末に国鉄(現JR)五日市線が通じ,昭和初めに都心と直通電車で結ばれるようになり,1960年代からは急速に近郊住宅地化が進んだ。
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百科事典マイペディア 「秋川」の意味・わかりやすい解説

秋川[市]【あきがわ】

東京都中西部の旧市。1972年西多摩郡秋多(あきた)町が改称,市制。多摩川と支流秋川にはさまれた秋留盆地と小丘陵を占め,野菜栽培,養鶏が盛ん。五日市線が通じ,住宅地化が進む。丘陵の一部は自然公園。22.44km2,5万387人(1990)。1995年に五日市町と合併,あきる野市となる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「秋川」の意味・わかりやすい解説

秋川
あきがわ

東京都西部を貫流する多摩川の最大の支流。全長 33.5km。山梨県境の山地に源を発し,上流は北秋川と南秋川に分れて渓谷をなす。景勝地が多く,アユ釣りの名所として有名。

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