改訂新版 世界大百科事典 「アゲラータム」の意味・わかりやすい解説
アゲラータム
Ageratum houstnianum Mill.
花壇や鉢植えに適したキク科の春まき一年草。オオカッコウアザミともいう。カッコウアザミ属は熱帯アメリカから北アメリカに30種もあるが,園芸品として改良されたのはメキシコからペルーにかけて分布するオオカッコウアザミで,葉は心臓形,茎や葉に軟毛があり,数多く分枝して秋には枝先に直径2cmの紫色の頭状花をつける。花には花弁がなく管状花ばかりであるが,この花がふんわりと紫色に見えるのは長い多数のめしべの色と形による。園芸種には白色花もあり,四倍体に改良されたブルー・ミンクBlue Minkは青紫色の大輪をつけ矮性で美しい。
種まきはふつう4月,種子は細かいのでまばらにまき,小苗を苗床で養ってから花壇や鉢植えとする。開花はふつう9~10月。熱帯では多年草の性質があり,株を温室で越冬させれば大株となる。土が深く窒素質肥料が効きすぎたときは容易に開花しないので,ある程度生育したら日当りと排水のよい場所で灌水を控えて育てることが必要である。
執筆者:浅山 英一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報