あざらし肢症(読み)あざらしししょう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

あざらし肢症
あざらしししょう

先天性の形態異常で、四肢の長管骨が欠損していたり、高度の発育不全のため著しく短縮している。フォコメリアphocomeliaともいい、phocoはアザラシで、meliaは四肢の意味。上肢では手が直接肩についているように見えるものもある。1961年から1962年にかけてヨーロッパや日本で多発したのは、妊婦が妊娠初期に鎮静催眠剤のサリドマイドを服用したことによると確認されている。これはサリドマイド・ベビーとよばれて社会問題となった。四肢以外の形態異常を伴っていることもある。知能の発育は正常のものが多く、四肢の形態異常そのものは死亡原因とはならない。治療は四肢の機能改善を図ることが主体であり、専門医と専門施設の下で長期にわたり機能訓練を行うことが必要である。電動式の特別な義肢も考案され、使用されている。また、手術的治療が補助的に採用されることもある。[永井 隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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