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義肢 ぎしartificial limb

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

義肢
ぎし
artificial limb

先天的に欠損したり,外傷などで切断した四肢の形態や機能を復元する目的で装着する代用をいう。義手義足がある。義肢には元来,外観を主とする装飾的なものと,機能だけを代用するものとがあり,前者では,材質の改良によって,自然の形に近いものがつくられている。後者では,電子工学神経生理学の進歩を取入れて,高度の作業に耐えられる義肢も開発されている。

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デジタル大辞泉の解説

ぎ‐し【義肢】

四肢を失った場合などに、その機能を補うために装着する人工的な手足。義手と義足。

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百科事典マイペディアの解説

義肢【ぎし】

四肢の切断,欠損に対して装着される人工肢。義手,義足の総称。主体となる補装肢と,断端残存部を包む断端鞘(しょう),これを体に固定する固定帯からなる。固定帯を用いず,陰圧を利用して断端鞘を断端部に吸着させるものもある。
→関連項目国民医療費

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎし【義肢 prosthesis】

外傷や疾病などの原因により上肢や下肢の一部または全部を失ったものが,欠損肢の機能と形態を補うために装着する人工の手足のことで,義足義手がある。現在の義肢は,その機能の原動力を切断者自身の筋力に求めるもので,これを体内力源義肢あるいは自力義肢という。これに対して原動力の一部または全部を外力によるものを,体外力源義肢あるいは動力義肢と称している。日本の身体障害者福祉法により交付される義肢は,現在のところ自力義肢であり,年間約5万件の交付(1990‐94年の平均)がなされている。

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大辞林 第三版の解説

ぎし【義肢】

手や足の一部を失った人が、失われた部分の機能を補うためにつける人工の器具。義足や義手。 → 補装具

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

義肢
ぎし

四肢の切断後に装用する代用肢であり、上肢に使用する義手と下肢に装用する義足とがある。義肢はじょうぶで軽量であり、かつ性能がよく使いやすいことが必要である。
 義手には大別して常用装飾用義手、作業用義手、能動義手がある。常用装飾用義手は形態を主としたもので、欠損した部分の補填(ほてん)であって、日常、装飾的に装用するものである。手部には合成樹脂製の装飾用手袋cosmetic gloveも使われる。これに対し作業用義手は、形態は度外視して、切断端にそれぞれの作業に便利な器具をつけたものである。能動義手は、肩や前腕の運動を力源とし、これをケーブルで連結した前腕や手部に伝えて、能動的に義手の手の部分を動かせるようにしたものである。
 義足には治療用義足、作業用義足、常用義足がある。治療用義足は仮(かり)義足ともいわれ、常用義足を装用する前に、義足での歩行を練習するためのものである。したがって形態的なことは考えず、ギプスやアルミニウムでつくった断端鞘(しょう)に棒や鉄脚をつけた比較的簡単なものである。作業用義足は、特定の作業を行うために便利なように形態を度外視して作製した労働用のものである。常用義足(完装義足)は、形を自然の下肢に似せて歩行や座ることなど日常生活に便利なように、膝(しつ)関節や足関節をつけ、足も自然の形のものをつけて作製したものである。吸着式大腿(だいたい)義足は、切断端と義足の断端鞘との間に生ずる陰圧を利用して義足が脱落しないようになっており、肩ベルトや腰ベルトを必要としない。
 義肢の歴史は、紀元前1000年ごろに書かれたインドの古書にその記述があるといわれるほど古いが、その後改良が加えられてきたわけであり、顕著な進歩といえば第一次および第二次世界大戦後で、とくに第二次世界大戦後に発達してきたのが動力義肢である。これは、関節部を動かす力源を外部動力に求めるもので、炭酸ガス圧、電気、油圧を動力源としている。ドイツ、イギリス、スウェーデンなどでサリドマイド児用に使われて注目された液体炭酸ガスをボンベに充填(じゅうてん)して使われたものをはじめ、電気式としては筋電位を使って超小型直流電動機を制御して代用筋の役割を果たそうとする、いわゆる電子義肢が欧米で使われ、まず電子義手が実用化されている。油圧式は開発途上にあり、カナダ、イギリス、日本などで研究されている。これは、可動部の無音や速応性など優れた点があり、期待されている。要するに、義肢の製作には優れた知識と技術を必要とし、また義肢を用いる人はよく練習し訓練しなければ目的を達することができない。[永井 隆]

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世界大百科事典内の義肢の言及

【サイボーグ】より

…この名称は1960年にクラインズM.Crynesにより提唱され,〈意識せずとも完全な平衡調節系として働く体外的に拡張敷衍された有機的複合体〉と定義される。現実には,生物の機能拡大という当初の積極的な意図は薄れ,主として人間の機能欠損を補てんする義肢や人工器官など医療サイボーグが研究の主流となっている。またSF的空想の世界では,これがスーパーマンと身体障害者の二面性を持つ新たなキャラクターとしてうけとめられ,それをテーマとする物語が数多く書かれている。…

※「義肢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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