日本大百科全書(ニッポニカ) 「アシール」の意味・わかりやすい解説 アシールあしーるAsir サウジアラビア南西部の紅海に面する地方。北はヒジャーズ地方、南はイエメン共和国に接し、南北約320キロメートル、東西約280キロメートルで、中心地はアブハ。紅海沿岸の乾燥した不毛な海岸平野と、紅海側に急傾斜する標高2000~3000メートルの山地からなる。山地では雨量も多く農耕に適し、ナツメヤシ、キビ、小麦などを産する。政府はこの地方の農業を重視し、ワーディジザンとアブハを中心に灌漑(かんがい)計画に着手している。海岸平野と内陸山地との生活様式は異なり、山岳部の孤立した地域では部族制度が残っている。[片倉もとこ] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例