アタナシウスの説を奉ずるキリスト教の正統派。ニケア教会会議で父なる神と子なるキリストとの同質を主張して,キリストを父なる神の被造物とするアリウス派を論駁(ろんばく),のち父と子に聖霊を加えての三位一体説を樹立した。アタナシウス派はアリウス派のほか,キリスト単性論派,ネストリウス派などとの対立を通じ,つねに優勢とは限らなかったが,381年のコンスタンティノープル教会会議,451年のカルケドン教会会議によって正統性が確認され,テオドシウス1世のとき(392年),この派の信条がローマ帝国の国教に等しいものと認められた。
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