勝利の女神ニケに捧(ささ)げた古代ギリシアの神殿。アテネのアクロポリスの南西端に建つ小神殿。建築家カリクラテスの設計で紀元前427年ごろ起工し、前424年ごろ完成。プランは正面5.4メートル、側面8.3メートル、前面背面に4本ずつ柱を配した四柱式イオニア式神殿である。勝利の女神ニケは一般に有翼であるが、これはニケ・アプテロスNike Apteros(翼のないニケ)ともよばれていた。これは、勝利の女神がアテネから飛び去らないように、市民が女神の翼を切り取ったからと伝えられる。神殿を取り囲む堡塁(ほるい)の欄干は「サンダルの紐(ひも)を解くニケ」など女神を表す美しい浮彫りで飾られていた。
[前田正明]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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