アブメナ(その他表記)Abu Mena

デジタル大辞泉 「アブメナ」の意味・読み・例文・類語

アブ‐メナ(Abu Mena)

エジプト北部にある同国最古のキリスト教都市遺跡アレクサンドリア南西約70キロメートルに位置する。ローマ帝国のキリスト教弾圧によって殺された聖者メナスを祭った場所。原始キリスト教一派であるコプト教会聖地として栄えたが、9世紀にイスラム教徒侵略により滅びた。20世紀初頭、砂に埋もれた遺跡が発掘された。1979年、世界遺産(文化遺産)に登録されたが、2001年には周辺地域の干拓の影響で地下水が上昇、地面の軟弱化による遺跡崩壊危機から、危機遺産リストに登録された。アブミナ。アブーミーナー

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世界遺産詳解 「アブメナ」の解説

アブメナ【アブ-メナ】

1979年に登録された世界遺産(文化遺産)で、アレクサンドリア南西部のミリュート砂漠に位置する。エジプト最古のキリスト教都市の一つで、3世紀にローマ帝国によるキリスト教弾圧で殉教した聖者メナス(285~296年頃)の墓所。ここに聖堂が建設され、キリスト教の一派、コプト教最大の巡礼地となった。9世紀以降イスラム教徒に征服され、聖堂は破壊されたが、20世紀初め、砂に埋もれていたアブ・メナの遺跡が発掘された。人類の歴史上、価値のある遺跡として評価され、世界遺産に登録された。土地改良による溢水などのため崩壊の危機に瀕し、2001年、危機遺産リストに登録された。◇英名はAbu Mena

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アブメナ」の意味・わかりやすい解説

アブメナ
Abu Mena

エジプト北部,カイロ北西約 180kmにあるキリスト教建築遺跡群ローマ軍兵士であったが,みずからキリスト教徒であることを表明しキリスト教徒迫害という軍の方針に反対し殉教したコプト教会の聖者メナスの生誕地。アブメナのメナスの墓所で起きた奇跡により巡礼者が跡を絶たず,5~6世紀には巡礼地として発展をとげ,聖堂,洗礼堂,宿泊施設などが整った。しかし9世紀に入り,イスラム教徒の侵略や地震の被害で廃虚と化した。 20世紀初頭以降,メナスの記念聖堂をはじめ数々の建築物が発掘されている。 1979年世界遺産の文化遺産に登録。

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