法律問題(読み)ホウリツモンダイ(英語表記)question of law; Rechtsfrage; qestion de droit

デジタル大辞泉 「法律問題」の意味・読み・例文・類語

ほうりつ‐もんだい〔ハフリツ‐〕【法律問題】

法律上の研究が必要な問題
訴訟事件審判において、確定された事実についての法律の適用解釈の問題。→事実問題

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精選版 日本国語大辞典 「法律問題」の意味・読み・例文・類語

ほうりつ‐もんだい ハフリツ‥【法律問題】

〘名〙
① 法律的な研究を要する問題。特に政治問題・経済問題に対して、社会現象を法律的に論ずる場合にいう。
※読書放浪(1933)〈内田魯庵〉喜劇標札蒐集「単なる茶咄が法律問題化した」
② 訴訟事件の審理裁判において、事実問題に対し、法律の解釈や適用に関する問題とその領域をいう。
松川裁判について(1958)〈広津和郎〉「判決文や法廷記録を調べれば調べる程、やはり法律問題に触れなければならなくなって来たのです」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法律問題」の意味・わかりやすい解説

法律問題
ほうりつもんだい
question of law; Rechtsfrage; qestion de droit

広義では,政治問題あるいは経済問題に対して法律適用の対象である問題をいう。狭義では,訴訟法学において事実問題に対する語である。裁判は事実を認定し,その認定された事実に法規を適用することによってなされるが,この事実認定に関する事項を事実問題,法規の適用に関する事項を法律問題という。事実審では事実問題と法律問題の双方を審理し,法律審では法律問題のみを審理する。したがって,事実問題は事実審の専権に属し法律審で争うことはできず (民事訴訟法 403) ,法律問題は常に裁判所の職権調査事項であり法律問題のみが上告理由となる (394条) 。刑事訴訟法上ではこの区別はあまり重要ではない。行政法上では,行政行為の当,不当の問題を裁量問題というのに対して,適法,違法の問題として裁判所の司法審査に服する問題を法律問題という。

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