日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
あやしいヤクブツ連絡ネット
あやしいやくぶつれんらくねっと
厚生労働省が行う「個人輸入・指定薬物等適正化対策事業」の一環として2013年(平成25)2月に開設された広報啓発ホームページ。「個人輸入・指定薬物等適正化対策事業」は、無承認無許可医薬品、指定薬物、偽造医薬品にかかわる情報収集・分析・評価、「あやしいヤクブツ連絡ネット」などによる消費者や医療関係者に対する注意喚起、またその情報を活用して販売事業者等に関する監視指導を行うものである。「あやしいヤクブツ連絡ネット」は、厚生労働省の委託を受けたあやしいヤクブツ連絡ネット運営事務局が運営している。
ホームページ上では、指定薬物の一覧、偽装されたパッケージや販売方法、指定薬物等が身体におよぼす影響や薬物乱用の事例、個人輸入の仕組みや注意点、個人輸入に関する規制などが解説されている。また、「相談窓口」としてホームページ事務局が運営するコールセンターと各都道府県の相談窓口が紹介されているほか、メールマガジンを発行し、希望者へ無料配布を行っている。
健康食品等のネット販売が広く浸透し、市販薬のネット販売も解禁される一方で、無承認無許可医薬品、指定薬物、偽造医薬品などにより健康被害を受けるケースが後を絶たない。2002年ごろから問題となった未承認の中国製ダイエット用健康食品による健康被害はとくに深刻であり、796人もの健康被害が確認され、そのうちの4人が死亡した。これ以降、お香に見せかけた脱法ハーブや危険ドラッグ、個人輸入した薬、医薬品成分を含む健康食品を原因とするトラブルや健康被害はいっそう増加する傾向にあり、「あやしいヤクブツ連絡ネット」はそうした動きに対処するものである。
[編集部]