アンゴラ[種]
Angora
(1)ウサギの1品種。トルコのアンカラ(旧名アンゴラ)地方原産で,イギリスとフランスで改良された毛用種。体は中型(体重2.5~3.5kg)で耳は短く全身柔らかい長毛で覆われている。毛色には白色,褐色,灰色,黒色といろいろあるが,白色種が喜ばれる。毛長は15cmにも達し絹糸様で美しい。年に3~4回剪毛(せんもう)し産毛量は500gくらい。毛は毛髄を欠くので軽くて保温性に富み,毛糸や織物に用いられる。体質は強健とはいい難く,湿気には特に注意しなければならない。
(2)ヤギの1品種。トルコ原産の毛用種。ねじれた角を持ち,被毛は白色,絹糸状で光沢がある。毛量は年1.0~1.5kgにすぎないが,モヘアと呼ばれ高級織物に用いられる。乾燥した地方に飼育される。
(3)ネコの1品種。ペルシアネコの基礎となった長毛の品種。
執筆者:正田 陽一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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アンゴラ種
アンゴラしゅ
Angora
偶蹄目ウシ科。アンゴラ地方原産のヤギの1品種。体の全体に長毛が生じて垂下し,特に頸や胴部の毛は非常に伸び地面に接する。現在では南アフリカ共和国,アメリカ,オーストラリアなどでも産する。体毛をモヘアと呼び,長くて純白,絹繊維のような強い光沢を帯びる。感触はなめらかで柔らかい。夏服地,婦人服地,高級ビロード地,オーバー地,毛布,肩掛け,椅子張り用などに用いられる。
アンゴラ種
アンゴラしゅ
Angora
ウサギ目ウサギ科。カイウサギの1品種でフランス原産,イギリスで改良された毛用種。白色で 150mmもある絹糸様長毛を有し,服地やセーター用に適する。体重は 3kgぐらい。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のアンゴラ種の言及
【ウサギ(兎)】より
…日本白色種の改良にも用いられた。(2)毛用種 [アンゴラ]種Angora(イラスト)が有名。(3)肉用種 ベルジアン・ヘアー種Belgian Hareはベルギー原産。…
【ヤギ(山羊)】より
…ヤギ肉は特有なにおいがあって嫌う人も多いが,日本でも沖縄県や長崎県では古くからヤギ肉料理が食べられていて,肉用の在来ヤギ(トカラヤギ,[シバヤギ](イラスト))が飼育されていた。毛用種としてはモヘアmohairを生産するトルコ原産の[アンゴラ種]Angora,冬に生える下毛が高級織物([カシミア織])の原料となるカシミア種Cashmereが有名である。モヘアは毛長15~18cmで,光沢と弾力にすぐれ,薄地の夏服地,肩掛け,高級ビロードなどの原料とする。…
【ウサギ(兎)】より
…日本白色種の改良にも用いられた。(2)毛用種 [アンゴラ]種Angora(イラスト)が有名。(3)肉用種 ベルジアン・ヘアー種Belgian Hareはベルギー原産。…
【モヘア】より
…[アンゴラ種]のヤギの毛。アラビア語のmukháyyar(選ぶの意)を語源とする。…
【ヤギ(山羊)】より
…(2)[マーコール]markhor(C.falconeri)(イラスト)アフガニスタン,ヒマラヤ,チベットの山岳地帯に分布し,ときには平地にもすむ野生ヤギで,角は大きくらせん状。毛用種のアンゴラ種,カシミア種がこれから生まれたといわれているが,ベゾアールとの交雑種に由来したものも数多い。(3)ヨーロッパノヤギEuropean wild goat(C.prisca)すでに絶滅してしまったが,北スペインや南フランスなどの平地に分布していたもので,ヨーロッパ南東部で家畜化され,現在ヨーロッパで見られるらせん状の角をもつヤギの原種と考えられている。…
※「アンゴラ種」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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