アンサーリー(読み)あんさーりー(英語表記)‘Abdullāh Anārī

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンサーリー」の意味・わかりやすい解説

アンサーリー
Anṣārī, `Abdullāh

[生]1005. ヘラート
[没]1089. ヘラート
ペルシア神秘主義者詩人。 1031年メッカ巡礼の途中バグダードで神秘主義者アブル・ハサン・ヒルカーニーに会って大きな影響を受け,のちに郷里において熱烈な神秘主義者として弟子を指導した。神秘主義思想を四行詩で表現したことで知られ,格調高いサジュウ体の散文作品『祈祷の書』 Munājātには,多くの神秘主義四行詩が織り込まれている。主要なペルシア四行詩人の一人に数えられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンサーリー」の意味・わかりやすい解説

アンサーリー
あんさーりー
‘Abdullāh Anārī
(1005―1089)

ペルシアの神秘主義者、詩人。アフガニスタンのヘラートに生まれる。のちイランのネイシャーブールで学を修め、バグダードで神秘主義の道に入り、郷里で多くの弟子を指導した。神秘主義思想を四行詩で表現したほか、押韻散文で『祈祷書(きとうしょ)』を執筆し、これはペルシア散文学の傑作とされる。神秘主義者の心理分析として知られる『旅人階梯(かいてい)』や『神秘主義者の階層』などの著書もある。

[黒柳恒男 2016年10月19日]

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