最新 地学事典 「アンシルス湖」の解説
アンシルスこ
アンシルス湖
Lake Ancylus
後氷期初期(ほぼ8,500~7,500年前)に,バルト海の一帯を占めた水域。この水域は,現在よりも広く,バルト海沿岸の海岸平野の大部分は水面下にあり,フィンランド湾とラドガ湖などは直接つながっていた。ただし,現在のカテガット海峡の方面は陸化し,北海との間の連絡は絶たれていた。このためバルト水域の水面は今よりも高まり,全体として著しく塩分に乏しく,むしろ淡水湖の状態にあった。この水域は,それを特徴づける巻貝の一種,コザラガイ(Ancylus fluviatilis)の名をとって,アンシルス湖と呼ばれている。当時の湖岸線には,諸所で細石器文化を代表する人類の遺跡が知られている。この湖は約1,000年間続いたが,約7,500年前にカテガット海峡付近に水路が開け,リットリナ海に転じた。
執筆者:湊 正雄
参照項目:ヨルジア海
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

