アンドロニコス(読み)あんどろにこす(英語表記)Andronīkos ho Rhodios

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンドロニコス」の意味・わかりやすい解説

アンドロニコス
あんどろにこす
Andronīkos ho Rhodios

生没年不詳。紀元前70年ごろのアリストテレス学者。ロードス島出身。アリストテレスの学園リケイオンの11代学頭。当時一般向けにアリストテレスの初期の作品が流布していたが、リケイオン時代のアリストテレスの講義草稿を分類して、現存全集の形で編集公刊した。またこれに注釈を書いたが、アリストテレスの作品を整理して、後世に残したことに意義がある。しかし逆に初期の作品は伝存しないことになった。「形而上(けいじじょう)学」metaphysicaという名は、その編集のおりの、「自然学の後に置かれたもの」ta meta ta physikaということばに由来するものとみられている。

山本 巍 2015年1月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アンドロニコス」の意味・わかりやすい解説

アンドロニコス
Andronikos

前1世紀頃のギリシアペリパトス学派の人。アリストテレスを除いて 10代目の学頭。彼はアリストテレスの著作を文献学的に整理し,多くに注釈を加え,後世の研究にとって大きな業績を残した。また特に論理学を重視し,これを哲学オルガノンと考えた。

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