改訂新版 世界大百科事典 「イスラマーバード」の意味・わかりやすい解説
イスラマーバード
Islamābād
パキスタンの首都。人口53万(1998)。パキスタンは1947年の独立に際しカラチを仮首都としたが,58年にパンジャーブ州北西部のラーワルピンディー市北東方に新首都を計画都市として建設することにした。新しい首都はパキスタン・イスラム共和国という国名にふさわしいイスラマーバード(〈イスラムの都市〉の意)と命名された。その建設用地は,北方にパンジャーブ・ヒマラヤ山脈を遠望し,なだらかに起伏する高原上に選定された。基本計画は,高原の凹部を利用して中央に人工湖を建設し,それをとりまいて1マイル(1.6km)間隔の規則的な方格状ブロックを設け,北部を大統領官邸,国会議事堂,諸官庁,各国大使館などの官衙地区に,南西部を住宅地区に,南東部を商工業地区にあてていた。66年には官公庁の移転が始まり,建設期間中の第2代仮首都とされたラーワルピンディーにかわって新首都となり,70年にはほぼ完成した。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報