市(いち)とは、一定期日に一定場所に多数の商人が商品を持ち込み、多数の顧客に現品を相対(あいたい)で売買する場をいうが、このような市が国際的に発展し、現品の売買ではなく、見本だけを陳列して商談を行い、商品の受渡しを後日行うようにしたのが国際見本市である。その主目的は、国際貿易促進のために新製品や特産品を持ち寄り、一定場所に一定期間展示して商談をまとめることであり、副次目的としては、開催国の人々に出展物を通して国力を宣伝し、国際親善を促進することがあげられる。
国際見本市の起源は、12世紀なかばの中部ヨーロッパにあるとされているが、近代的国際見本市は、第一次世界大戦後に急速に発展し、ドイツのライプツィヒやハノーバー、フランスのパリ、イタリアのミラノ、中国の広州など、定期的に開催するのみでなく、規模、伝統、専門施設の点で著名になったものも少なくない。日本では、1953年(昭和28)に大阪で開かれたものが最初であるが、経済力の発展とともに、世界の上位を占める実績(規模、参加国数、内容、入場者数、取引成立件数、同金額)をあげている。国際見本市には、多数の国の多種商品を網羅する総合的なものと、参加国ないし商品分野を特定する限定的なものとがある。パリには国際見本市連盟International Trade Fair Leagueの本部がある。
[森本三男]
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
… 現在,全世界で年間6000をはるかに超える多種多様な見本市が開催されており,長い歴史を有する見本市のほかに,時代のニーズに応じた新しい見本市がつぎつぎと企画されるなど,年々その数は増加傾向にある。見本市の形態としては,出品対象品目によって,雑貨品から重機械まですべてを含む〈一般見本市〉,出品物が限定され,入場者もその分野の業者または専門家に限られる〈専門見本市〉,出品者,入場者の対象によって,国内を対象とした〈国内見本市〉,外国からの参加ができるよう企画された〈国際見本市〉に分類される。このほか,特定の国において,特定の目的,あるいは特定の人々を対象に,1国,1企業,あるいは団体が独自に開催する〈単独見本市〉がある。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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