日本大百科全書(ニッポニカ) 「イヌビエ」の意味・わかりやすい解説
イヌビエ
いぬびえ / 犬稗
[学] Echinochloa crus-galli Beauv.
イネ科の一年草。稈(かん)の基部は赤みを帯びて分枝し、株立ちして高さ0.8~1.2メートル。8~10月、数個の総状花序をつくる。小穂は2小花をもち、長さ3~4ミリメートル、剛毛が生える。第1包穎(ほうえい)は小さく、小穂の2分の1に満たない。第2包穎と第3穎は、やや小穂と同じ長さ。第4穎は革質で光沢がある。本州から沖縄にかけての水田の雑草で、世界の温暖地に広く分布する。名は、ヒエに似て役にたたないことによる。芒(のぎ)がなく全体がやや小さいのをヒメイヌビエ、水田に生え第1包穎が小穂の2分の1より長い変種をタイヌビエという。
[許 建 昌]