インベル（読み）いんべる（英語表記）Вера　Михайловна　Инбер／Vera Mihaylovna Inber

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

インベル
Inber， Vera Mikhailovna

[生]1890.7.10. オデッサ
[没]1972.11.12. モスクワ
ソ連の女流詩人。幼少期をスイス，フランスで過し，1910年頃からオデッサの新聞に詩を発表した。詩集『悲しき酒』 Pechal'noe vino (1914) など初期の作品はデカダン的傾向を帯びていたが，次第に社会主義的作風に移り，『目的と道』 Tsel' i put' (25) などの詩集のほかに，『パリのアメリカ』 Amerika v Parizhe (27～29) などの旅行記も出版。ことにレニングラード攻防戦をうたった叙事詩『プルコボ子午線』 Pulkovskii meridian (42) が有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

インベル
いんべる
Вера　Михайловна　Инбер／Vera Mihaylovna Inber
（1890―1972）

ソ連の女流詩人。ウクライナのオデッサ（現、オデーサ）に事業家の子として生まれ、スイス、フランスに遊ぶ。革命前から詩作を始め、初期の詩集『悲しき酒』（1914）、『苦しき慰め』（1917）などで唯美的、デカダン的傾向の詩人として登場。のちに構成派を経て、しだいに社会主義的詩人となった。代表作に、第二次世界大戦のレニングラード攻防戦をテーマとした叙事詩『プルコボ子午線』（1942）、当時の記録『ほとんど三年間』（1946）、『四月、レーニンについての詩編』（1960）など。

［草鹿外吉］

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