日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィンドサーフィン」の意味・わかりやすい解説
ウィンドサーフィン
うぃんどさーふぃん
wind surfing
サーフィンに帆を組み合わせたマリンスポーツ。1967年アメリカのホイル・シュワイツァーHoyle Schweitzer(1933― )とジム・ドレイクJim Drake(1929―2012)によって開発、考案され、1970年にデビューした。翌1971年ヨーロッパにも広まり、日本へは1973年(昭和48)鈴木東英(はるひで)(1941―1988)によって紹介された。ボードの重量は約28キログラム、長さ3.7メートル、幅60センチメートルほどで、車で簡単に持ち運びができ、水と風さえあればどこでも楽しめる。
競技種目としては、海の体操競技といわれるフリースタイル、スキーの回転競技にあたるスラローム、ロングディスタンス、スピードトライアル、ウェイブ・ライディング・アンド・ジャンピングなどがある。オリンピックには、男子が1984年のロサンゼルス大会から、女子が1992年のバルセロナ大会から、ヨット競技の種目の一つとして加えられた(2000年のシドニー大会から競技名はヨットからセーリングに変更)。2008年の北京(ペキン)大会以降、競技艇として「RS:X級(アールエスエックス)」が使用されており、これがオリンピックにおける種目名となっている。距離の帆走記録としては、1982年フランスのクリスティアン・マルティChristian Marty(1946―2000)が行った4780キロメートルの大西洋横断がある。スピードトライアル(500メートルの所要時間を競う)では、1993年フランスのティエリー・ビエラクThierry Bielak(1956― )が時速83.96キロメートルを記録して以降も更新され、2015年フランスのアントワーヌ・アルボーAntoine Albeau(1972― )が出した時速98.65キロメートルが世界最速記録となっている(2018)。
[北郷敏明 2019年5月21日]