改訂新版 世界大百科事典 「ウェレス」の意味・わかりやすい解説
ウェレス
Gaius Verres
生没年:前115ころ-前43
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ローマ共和政末期の政治家。父の代からの元老院議員。紀元前84年にコンスル(統領)カルボーの部下の財務官、前80年にキリキア総督ドラベラの副官、前74年に法務官などを歴任。前73年から前71年まで法務官代理官の資格でシチリアの総督となったが、職権を乱用してシチリア住民を搾取したとして、前70年に雄弁家キケロによりローマの「不法取得返還請求のための常設法廷」で弾劾された。裁判なかばにして自己の有罪を認め、マッサリア(現マルセイユ)に亡命、ここで余生を過ごした。このときのキケロの弾劾演説が現存するが、当時のシチリアの状況およびローマの海外支配を知る重要史料となっている。
[吉村忠典]
?~前43以後
ローマ共和政期の政治家。シチリア総督在任中の前73~前71年,私腹を肥やすために属州民を組織的に搾取し,帰国して不当取得法廷に告発された。キケロが告発弁論を行い,敗訴してガリアに亡命した。キケロの弁論が現存するので悪徳の総督として有名になった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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