日本大百科全書(ニッポニカ) 「うしかい座」の意味・わかりやすい解説
うしかい座
うしかいざ / 牛飼座
春の宵、北斗七星の南東に接し、ほとんど頭上に見える星座。形は1等星アークトゥルスから北へ大きな菱(ひし)形をしている。オレンジ色のアークトゥルスは、日本では初夏の麦刈りのころ、日暮れに頭上に輝くため「麦星」の名がある。北斗七星の柄(え)のカーブを南に延長してくるとアークトゥルスを経て、おとめ座の1等星スピカへ至る巨大な曲線が春の宵の頭上にでき、これを「春の大曲線」とよんでいる。アークトゥルスは「熊(くま)の番人」の意で、おおぐま座について回るように見えるところからきた名前らしい。毎秒125キロメートルの猛スピードで空間を動いている高速度星としても知られている。
[藤井 旭]