日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウマースバーティ」の意味・わかりやすい解説
ウマースバーティ
うまーすばーてぃ
Umāsvāti
生没年不詳。5、6世紀インドのジャイナ教の学僧。別名をウマースバーミンUmāsvāminともいう。ジャイナ教の教理綱要書『タットバ・アルタ・アディガマ・スートラ』(真理の意味の了得についての経)の著者として知られる。この経の内容は、ジャイナ教独自の認識論、宇宙論(世界観)、存在論、解脱(げだつ)のための実践論などからなり、全体として、業(ごう)(カルマ)に束縛された霊魂(ジーバ)がいかにすれば解脱(モークシャ)に到達できるかを示す。もっとも古くかつ権威ある綱要書で、今日でもジャイナ教徒はこれを重視し、日々の読誦(どくじゅ)経典として用いる。
[矢島道彦 2018年5月21日]
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