日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウーリーモンキー」の意味・わかりやすい解説
ウーリーモンキー
うーりーもんきー
woolly monkey
哺乳(ほにゅう)綱霊長目オマキザル科ウーリーモンキー属に含まれる動物の総称。同属Lagothrixは、フンボルトウーリーモンキーL. lagothrichaおよびヘンディーウーリーモンキーL. flavicaudaの2種に分けられる。前者は、アマゾン中流から上流域では非常にポピュラーなサルであるが、後者はペルー領アンデス山地のごく限られた地域にのみ生息する。両種ともオマキザル科のなかでは大形で、体重約10キログラム、頭胴長41~58センチメートル、尾長56~73センチメートル。体格はがっしりとして筋肉の発達がよく、羊毛状の体毛が密生している。このためヨウモウザルともよばれる。尾の先端下面には毛がなく、把握力が強くて、尾だけでぶら下がることができる。とくに果実を好むが、葉や昆虫も食べる。十数頭から50頭ぐらいのよくまとまった群れをつくって生活する。群れの行動域は広く、4~5平方キロメートルに及ぶ。
[西邨顕達]