エクロゲ(その他表記)Eklogē tōn nomōn en syntomō genomenē; Ecloga

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エクロゲ」の意味・わかりやすい解説

エクロゲ
Eklogē tōn nomōn en syntomō genomenē; Ecloga

726年3月レオ3世とその息子コンスタンチヌス5世の連名により発布されたビザンチン帝国の法律選集。時代に合致しない,ラテン語による『ユスチニアヌス法典』 (→勅法彙纂 ) のなかから,民法刑法を抜粋し,これをギリシア語に書き改め,裁判官の実務用に改訂したもの。教会法の影響を受け,女性と子供の権利を強調する一方,当時東方世界で慣習化していた残酷な体刑も取入れた。また裁判官に対する贈賄を防ぐため,裁判官の月給制が決められた。

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世界大百科事典(旧版)内のエクロゲの言及

【レオ[3世]】より

…その年ウマイヤ朝のカリフ,スライマーンの陸海にわたる首都攻撃を受け,1年に及ぶ包囲戦を耐え,ついにはアクロイノンの戦(740)でイスラムを大破した。国内では行政改革を断行し,〈ローマ法大全〉の中から,私法と刑法を中心にした選集《エクロゲEklogē》を発布(726),法の整備を図った。宗教的には偶像崇拝禁止(イコノクラスム)により純粋な信仰を打ち立て,大土地所有者層を形成していた教会・修道院勢力の浄化を図ろうとした。…

※「エクロゲ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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