日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオイヌタデ」の意味・わかりやすい解説
オオイヌタデ
おおいぬたで / 大犬蓼
[学] Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. lapathifolia
Polygonum lapathifolium L.
タデ科(APG分類:タデ科)の一年草。高さ1メートルにもなる大形種。茎は直立して太く、粗大に分枝し、帯紅色で節は隆起し、茎面に暗紫色の細点があり無毛。葉は互生し、披針(ひしん)形で先は鋭くとがり、長さ9~20センチメートル。多数の顕著な支脈があり、脈と縁(へり)に短い剛毛がある。葉鞘(ようしょう)には隆起する脈があり、膜質で無毛。夏から秋に、分枝の先に円柱形で先がやや下垂する花穂をつけ、多数の花を密生する。花は長さ2.5ミリメートル、帯緑白色または帯紅色、花被(かひ)は4枚、脈が明らかである。雄しべは6本、子房は細小でやや球形、2本の花柱がある。痩果(そうか)は宿存する花被に包まれ、長さ約2ミリメートルの平たい円形、黒褐色で光沢がある。北半球の温帯から暖帯に広く分布し、日本では田畑や水辺に普通にみられる雑草である。
[小林純子 2020年12月11日]