日本大百科全書(ニッポニカ) 「おおいぬ座」の意味・わかりやすい解説
おおいぬ座
おおいぬざ / 大犬座
冬の宵、南の中天にかかる明るい星座で、大犬の口元に全天一明るいシリウスが輝いている。シリウスはギリシア語のセイリオス(焼き焦がすもの)からきた名前とされ、夏至のころ、太陽がこの星の近くにやってきて、ともに並んで夏の炎暑をもたらすとみられていた。シリウスがマイナス1.5等というすばらしい明るさに見えるのは、距離が8.6光年と近いためで、星の実体がずばぬけて明るいからではない。シリウスは8.44等級の白色矮星(わいせい)の伴星を連れている。双眼鏡で楽しめる天体としては、シリウスの約4度南にある散開星団M41がある。
[藤井 旭]
『藤井旭著『冬の星座』(1988・金の星社)』▽『藤井旭著『秋・冬星座図鑑――もっと知りたい秋・冬の星座』(2002・偕成社)』▽『藤井旭著『星座大全――冬の星座』(2003・作品社)』