おきゅうと(読み)オキュウト

デジタル大辞泉 「おきゅうと」の意味・読み・例文・類語

おきゅうと〔おきうと〕

エゴノリ別名。また、エゴノリを煮て薄く平らに固めた寒天状の食品。細く切り、削り節醤油または酢醤油とで食べる。福岡名産 夏》

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百科事典マイペディア 「おきゅうと」の意味・わかりやすい解説

おきゅうと

海藻のエゴノリを煮溶かしてところてんのように流し固めたもの。ひも状に切るなどして,酢じょうゆや酢みそ,ショウガじょうゆなどをかけて食べる。ところてんに似ているが,舌ざわりがややあらい。九州博多地方の名物で,朝食おかずとして親しまれ,かつては朝早くからおきゅうと売りの声が響いたという。現在でもツルツルした涼感が夏の味覚として好まれている。名前の由来は,製法を伝えたのが漁師すなわち〈沖人〉だから,など諸説あるが不明。

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デジタル大辞泉プラス 「おきゅうと」の解説

おきゅうと

福岡県福岡市の郷土料理。トコロテンに似た食べ物でエゴノリを原料とする。「お救人」の表記もある。

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世界大百科事典(旧版)内のおきゅうとの言及

【エゴノリ】より

…日本各地の低潮線下のホンダワラ類などの体上に着生し,寒天の原藻として採集される。エゴノリからつくられる九州博多地方の〈おきゅうと〉は名物として知られる。ところてんに似ているが,やや舌ざわりがあらい。…

【心太】より

…成分は99%までが水分で栄養分がないため,美容食としても利用される。なお,ところてんの一種に〈おきゅうと〉がある。昔は〈うけうと〉とも呼んだもので,エゴノリでつくる。…

※「おきゅうと」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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