日本大百科全書(ニッポニカ) 「オダリスク」の意味・わかりやすい解説 オダリスクおだりすくodalisque フランス語 スルタンの女たちに仕える女奴隷、あるいはそのハレムの女。トルコ語ではオダリクであったものが、フランス語に誤用されてオダリスクとなった。19世紀フランスに流行した東方趣味に基づく、いわゆるオリエンタリズムの画家たちにとってまたとない題材を提供した。とりわけ『グランド・オダリスク』を頂点とするアングルの作品では、オダリスクたちは装飾味豊かで官能的な美神に変じている。その後ルノワールやマチスたちがオダリスクを主題に取り上げるのは、これらの画家が色彩画家であったことの証(あかし)である。[高見堅志郎] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オダリスク」の意味・わかりやすい解説 オダリスクodalisque トルコ語の odaliq (部屋) からきた語。イスラムの君主のハレムに仕える女奴隷あるいは寵姫。 19世紀初頭,フランスの画家たちが好んで作品の主題とした。おもな例はアングルの『グランド・オダリスク』 (1814,ルーブル美術館) ,ルノアールの『オダリスク』 (バーンズ財団) ,マチスの『赤いキュロットのオダリスク』 (パリ国立近代美術館) など。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報