日本大百科全書(ニッポニカ) 「おとめ座銀河団」の意味・わかりやすい解説
おとめ座銀河団
おとめざぎんがだん
おとめ座にある銀河団。地球からこの銀河団中心までの距離は約5900万光年で、奥行き方向に3260万光年から8150万光年まで広がっている。3000個以上の銀河で構成されていて、銀河団の中心部にはM87という巨大楕円(だえん)銀河がある。この銀河団では渦巻銀河(渦状(かじょう)銀河)と楕円銀河がほぼ同数あり、まだ進化途上の銀河団と思われる。実視等級は9.4等、視直径は10度程度。おとめ座の北部にあり、小望遠鏡を使うと、たくさんの銀河を見ることができる。6月初旬の午後7時ごろには南東の空に、午後9時ごろに南西の空に見える。
おとめ座銀河団を中心に銀河の巨大集団である局部超銀河団が形成されていて、天の川銀河(銀河系)が属する局部銀河群は局部超銀河団のはじに位置している。局部銀河群は、おとめ座銀河団のほうに引かれていて、将来おとめ座銀河団と合体すると思われる。
[編集部 2022年12月12日]