オフショアリング

デジタル大辞泉 「オフショアリング」の意味・読み・例文・類語

オフショアリング(offshoring)

企業業務一部または全部海外移管委託すること。安価な労働力確保目的とする場合が多い。オフショア。⇔リショアリング

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

人材マネジメント用語集 「オフショアリング」の解説

オフショアリング

・Offshoring
・オフショアリングとは、コスト削減などを目的に、企業が自社の業務の一部分や全部を海外に委託・移管することをいう。
・海外の企業に委託する場合と、海外に現地法人を設立し、現地で人材を採用し業務を移管する場合がある。
近年オフショアが注目を浴び、企業が積極的に活用している背景には、インターネットの普及を背景に通信コストの低下や、業務委託先との時差を活用することによるロスタイムの削減等による業務効率の向上があげられる。
従来、企業は工場の海外移転など製造・生産領域等、比較的単純作業における領域でオフショアを行ってきたが、近年は、研究開発や設計といった専門的な業務やナレッジの活用が必要なコールセンター業務やバックオフィス業務等に委託範囲が拡大してきている。その背景には、現地の人材の質の向上があげられる。
・しかし、専門的な業務を担う人材に関しては、業務委託地域の集中等による競合企業との人材獲得競争の激化により人件費が高騰し、当初見込むコスト削減効果が実現し難い状況となってきている。
・あまりにも急激にオフショアが進んだことで、米国などでは国内の雇用が流出し、雇用を脅かすものとして政治問題化している。
一方、日本企業におけるオフショアリングは、コスト削減の目的もあるが、少子高齢化による労働人口の減少のため、労働力の確保を目的として実施されているケースも多い。また言語が違うため、工場など生産領域は進んでいるものの、専門的な業務領域に関してはオフショアを推進する足かせとなっている。

出典 (株)アクティブアンドカンパニー人材マネジメント用語集について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オフショアリング」の意味・わかりやすい解説

オフショアリング
おふしょありんぐ
offshoring

企業が人件費を主としたコスト削減を目的に、自社の製造、システム開発、サポートなどの業務を国外に移管・委託すること。国外業務発注や国外業務委託ともいう。海外支社や現地法人を設立して業務移管する場合と、資本関係のない海外企業に業務委託する場合があり、後者をオフショア・アウトソーシングoffshore outsourcingという。

 アメリカでは1990年代からインターネットの普及によりシステム開発やデータ入力の国外への業務委託が積極的に行われるようになり、ICT(情報通信技術)の発達を背景に、会計士、コンピュータプログラマーや医療従事者などの専門的な業務へも委託の波が及んだ。しかし、コスト削減の観点だけの業務委託は、国内の雇用機会の減少や地場産業の空洞化を招きかねないとして政治問題となっており、2004年のアメリカ大統領選挙では重要な争点の一つとして取り上げられた。総務省によるオフショアリング活用の実態調査によると、日本企業がオフショアリングを行う目的は、コスト削減と国内人材不足の補完が圧倒的多数である。また、オフショアリングを進めるうえでの課題としては、「品質に不安がある、品質管理がむずかしい」「現地の人件費が上昇している」「言語の問題から相手先とのコミュニケーションがむずかしい」などがあげられている。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

人事労務用語辞典 「オフショアリング」の解説

オフショアリング

自社で行われている業務プロセスの一部、またはすべてを海外の専門企業に移管・委託すること。
(2008/8/18掲載)

出典 『日本の人事部』人事労務用語辞典について 情報

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android