オプストフェルダー(その他表記)Obstfelder, Sigbjørn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オプストフェルダー」の意味・わかりやすい解説

オプストフェルダー
Obstfelder, Sigbjørn

[生]1866.11.21. スタバンゲル
[没]1900.7.29. コペンハーゲン
ノルウェー詩人。大学で古代北欧文学を学んだが,世紀末的な不安から,アメリカに渡って機械技師になろうとしたり,作曲や音楽に心を傾けたりした末,精神に変調をきたし,入院放浪繰返し,最後は結核早世。キルケゴール,J.P.ヤコブセン,ポー,ドストエフスキーらの影響を受けながら,清新な口語体の詩を書き,また戯曲『赤いしずく』 De røde dråber (1897) や『二つの短編』 To novelletter (95) などにあやしく幽暗な象徴的世界を示した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「オプストフェルダー」の意味・わかりやすい解説

オプストフェルダー
おぷすとふぇるだー
Sigbjørn Obstfelder
(1866―1900)

ノルウェーの詩人。大学では古代北欧文学を学んだが、世紀末の退廃分裂に悩んで、機械技師、作曲家、音楽家を志したこともあり、精神疾患肺結核にも冒されて入院や放浪生活を繰り返した。「自分はまちがった天体に生まれてしまった」と感じて、生涯落ち着くことができずに彷徨(ほうこう)、ついに大成せず夭折(ようせつ)した。作品はきわめて個性が強く、妖(あや)しく暗い輝きをもっている。詩のほか『短編二つ』(1895)、『十字架』(1896)、戯曲『赤い滴(しずく)』(1897)などがあり、死後全集も刊行され愛惜者が多い。

[山室 静]

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