日本大百科全書(ニッポニカ) 「オルツィ」の意味・わかりやすい解説
オルツィ
おるつぃ
Baroness Emmuska Orczy
(1865―1947)
イギリスの女流作家。ハンガリー生まれ。フェリックス・オルツィ男爵の娘で、本名モンターギュ・バーストウ夫人。ブリュッセル、パリを経てイギリスに渡り、画家となる。1905年、革命下のフランスから貴族を次々脱出させるパーシィ・ブレイクニー卿(きょう)、実は「紅はこべ」の大活躍をスリルとサスペンスたっぷりに繰り広げた劇『紅はこべ』で大衆的人気を得た。同年に小説化されて、大人と子供の愛読書となった。ほかに『隅の老人』(1909)の連作もある。
[神宮輝夫]
『『紅はこべ』(定松正訳・春陽堂少年少女文庫/西村孝次訳・創元推理文庫)』▽『中田耕治訳『紅はこべ』(1977・筑摩書房)』▽『深町真理子訳『隅の老人の事件簿』(創元推理文庫)』