おん坊(読み)おんぼう

精選版 日本国語大辞典 「おん坊」の意味・読み・例文・類語

おん‐ぼう‥バウ【御坊・隠亡・隠坊】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 死者火葬埋葬に携わり、墓守を業とした人。江戸時代、えた(穢多)とともに賤民として差別された。おんぼ。
    1. [初出の実例]「妙縁童女墓所へ、晩景に予・北向等参了。水已下供之念仏申了。をんはうに布施少遣了」(出典:言経卿記‐天正一七年(1589)正月一九日)
  3. 遊郭で、遊女、また遊女を監督する「遣手(やりて)」の異称。客を焼く(=だます)ところからいう。〔評判記・吉原すずめ(1667)〕
  4. 性病専門医をいう隠語。むかしは下疳潰瘍を薬で焼いたため、死体を焼くにおいがしたのでこの名がついたという。〔モダン新用語辞典(1931)〕

おん‐ぼ【御坊・隠坊】

  1. 〘 名詞 〙おんぼう(御坊)
    1. [初出の実例]「浮世の人の驚く煙立て、隠坊(オンボ)の住める、ひとつ庵を詠め過」(出典:浮世草子男色大鑑(1687)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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