お花畑(読み)おはなばたけ

百科事典マイペディア 「お花畑」の意味・わかりやすい解説

お花畑【おはなばたけ】

高山帯に発達する草原高山植物生育期間が短いため,ほぼ一時に開花し,花は大きく,色はあざやかで美しい。砂礫(されき)地に発達する草原を〈乾性のお花畑〉,雪解け水などの流れ込む湿地に発達する草原を〈湿性のお花畑〉という。白馬岳(しろうまだけ)のものが特に有名。
→関連項目トムラウシ山

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「お花畑」の意味・わかりやすい解説

お花畑
おはなばたけ

高い山にある花の多い草原、または矮性(わいせい)低木群落をいう。高山植物群落と同義に用いられることもある。一般にお花畑とよばれるものは、針葉林帯(針葉樹林帯)の雪崩(なだれ)斜面に成立するシナノキンバイミヤマキンポウゲハクサンフウロヨツバシオガマなどの広葉草原か、雪田周辺のウサギギククロユリなどの広葉草原をさすことが多い。水分条件を主として、お花畑を乾性、中性、湿性に区別することもある。山岳ツーリズムの誘因の主たるものである。

[大場達之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「お花畑」の意味・わかりやすい解説

お花畑
おはなばたけ
alpine meadow

高山の森林限界 (日本中部では約 2500m) を越えたところでは,植物の生育可能な期間が短くなるので,多年生のきわめて小さな草本が密生して生えるようになる。それらの植物の花は花期が限られ,短期間に一斉に開花し,しかも鮮かな花色のものが多い。このような植物の群落をお花畑と呼ぶ。ツガザクラ,ミヤマウスユキソウなどが主要な構成要素である。

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ダイビング用語集 「お花畑」の解説

お花畑

各種サンゴやウミシダ、ウミトサカ、イソバナなどの色・形様々な植物に似た生物が群生し、カラフルこの上ない場所を表現する言葉。世界中にあまたあるコーラルガーデンという名の場所などはその端的な例だ。沖縄ケラマにはトゲトサカが一面に群生するその名もズバリ “お花畑”というポイントもある。

出典 ダイビング情報ポータルサイト『ダイブネット』ダイビング用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内のお花畑の言及

【高山植物】より

…この植物はその著しい匍匐(ほふく)性の樹型とともに,つねに森林限界より上部に出現し(ただし,分布域の北部では海岸付近の低地にも生育する),その他の大型低木であるキバナシャクナゲ,クロウスゴ,タカネナナカマド,ウラジロナナカマド,マルバシモツケ,タカネイバラ,コケモモなどを伴い,特徴的な群落を形成する。ハイマツのすきまや岩石地,砂礫(されき)地には矮小低木や草本植物を主体とするいわゆるお花畑が形成されるが,その地形,基層の安定性,水分の供給状態などを反映して多種多様な群落が形成される。すり鉢状の地形の底部に位置し,雪渓からの豊富な融雪水でうるおう湿潤な一帯には,コバイケイソウ,シナノキンバイ,ハクサンフウロ,イワイチョウ,ミヤマイ,ハクサンコザクラなどの典型的な雪田植物群落が形成される。…

※「お花畑」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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