ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カバルダバルカル共和国」の意味・わかりやすい解説 カバルダバルカル〔共和国〕カバルダバルカルKabardino-Balkaria ロシア南西部,北カフカスにある共和国。北にカラチャイチェルケス,南に北オセチヤの両共和国と接し,西はジョージア(グルジア)と国境を接する。 1921年カバルダ自治州として設立され,22年カバルジンバルカル自治州,36年同自治共和国,91年カバルダバルカル共和国となった。首都ナリチク。大カフカス山脈中西部北斜面にある。大部分山地で,南西隅にあるエリブルース山 (5642m) など高山の山頂部には氷河が発達し,斜面は山地草原,森林におおわれる。北東部にはカバルダ平野があり,氷河から流れ出す多数の川がここでテレク川に合流する。大陸性気候で,平均気温は1月-4℃,7月 24℃。年降水量は平野で 500mm,山地で 800mm以上。北カフカス諸言語に属する言語をもつカバルダ人が住民の半分近くを占め,おもに平野に住むが,チュルク語系の言語をもつバルカル人は 10%弱でおもに山地に住む。カバルダ平野を中心にコムギ,トウモロコシ,ヒマワリ,タイマ,果樹などを栽培し,灌漑農業が発達している。山地ではヒツジ,ウシの飼育が盛ん。モリブデン,タングステン,錫,金,アンチモン,石炭などの鉱物資源に恵まれ,開発が進められている。工業はナリチクとプロフラドヌイに集中し,機械 (鉱山・石油,工作) ,繊維,木材加工,製靴,建設資材,食品などの工業がある。山麓の鉱泉地帯は保養地として,また大カフカスの登山基地として知られる。交通は北東部を横切る幹線鉄道,そこから分岐しナリチクに通じる支線,およびハイウェーが中心である。面積1万 2500km2。人口 77万 7700 (1991推計) 。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by