改訂新版 世界大百科事典 「カバロッティ」の意味・わかりやすい解説
カバロッティ
Felice Cavallotti
生没年:1842-98
イタリアの政治家,著作家でミラノを拠点に活動した。高校時代からジャーナリズムの世界に入り,17歳の1860年にガリバルディの率いる千人隊のあとを追ってシチリアに渡り,ブルボン軍との戦闘に参加。61年ミラノに戻ってパビア大学に進学し,同時にジャーナリストとしての活動を本格的に開始する。66年オーストリアとの戦争に義勇兵として再びガリバルディ軍のもとに加わり,ガリバルディへの深い傾倒を示した。ジャーナリズムの世界では鋭い政治評論で注目を集める一方,詩作・劇作でも才能を現した。73年国会議員に選出され,以後議会で最左派の席を占めた。彼の思想は急進主義のそれで,市民生活における民主主義の拡大に努め,その立場から歴代政府の政策をきびしく批判し続けた。このため政敵・論敵も多く,決闘や裁判沙汰が絶えず,98年3月,32度目の決闘で命を落とした。
執筆者:北原 敦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報