カルタニセッタ(その他表記)Caltanissetta

改訂新版 世界大百科事典 「カルタニセッタ」の意味・わかりやすい解説

カルタニセッタ
Caltanissetta

イタリア南部,シチリア州の同名県の県都。人口6万2850(1990)。シチリア島のほぼ中央部,標高588mにある。付近にはギリシア時代の墳墓遺跡が多く,かつては硫黄生産の中心地として知られたが,20世紀初めにアメリカとの競争で衰退し,現在は鉱山のほとんどが廃鉱となったうえ,見るべき製造業もない。この地方は,農業灌漑の不備等で振るわず,19世紀以来移民を多く出しており,シチリアでも特に開発が遅れている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 萩原

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルタニセッタ」の意味・わかりやすい解説

カルタニセッタ
かるたにせった
Caltanissetta

イタリア、シチリア島中央部、カルタニセッタ県の県都。人口6万0878(2001国勢調査速報値)。古代の町ニッサNissaを前身とする。同島の硫黄(いおう)生産の中心地で、19世紀末ごろに最盛期を迎えたが、その後生産は徐々に縮小し、現在では廃坑同然となっている。みるべき工業も発達せず、農産物集散地地方行政の中心地として、一定重要性をもつにとどまる。

[堺 憲一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android