カルナック列石(読み)カルナックれっせき(その他表記)Alignements de Carnac

改訂新版 世界大百科事典 「カルナック列石」の意味・わかりやすい解説

カルナック列石 (カルナックれっせき)
Alignements de Carnac

フランス,ブルターニュ南部の新石器時代および青銅器時代初頭の遺跡巨石記念物として知られ,メンヒルが数列に並んで構成する列石群を見る。主要群は3ヵ所である。メネクでは両端環状列石があり,その間を11条の列石が結んでいる。平均幅100m,長さ1167m,立石数1169。ケルマリオでは10条の列石のみで,その平均幅は101m,長さ1120m,立石数1029である。ケルレスカンでは一端に環状列石が見られ,それに続いて13条の列石が800mある。最大幅139m,立石数594。ただ立石数は研究者によって記述が異なるが,取り去られたりしたことによるものである。石の大きさの最小は高さ50cmくらいであり,最大は6mを超える。これらの列石群の正確な役割は想像の域を出ないが,天文学説に結びつく解釈が最近唱えられている。付近にはこの遺構に関連したとされる古墳が多く知られ,なかでも最大の聖ミシェル古墳は全長217mに達する。
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百科事典マイペディア 「カルナック列石」の意味・わかりやすい解説

カルナック列石【カルナックれっせき】

フランス,ブルターニュ地方のカルナックCarnac村にある列石群。3群の立石が3kmにわたって並ぶ。前3000年ごろの農耕民の所産らしく,列の方向から一種太陽崇拝の遺跡かと思われる。この地域には,ほかドルメンメンヒルなど新石器時代〜青銅器時代の各種巨石記念物が密集している。
→関連項目巨石記念物

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世界大百科事典(旧版)内のカルナック列石の言及

【巨石記念物】より

… これら巨石記念物は,単独の場合もあるが,多くは各種の組合せとして存在する。たとえばフランスのブルターニュ地方のカルナック列石は,3群に分かれて東西3kmにわたって続くが,各群の端部にはストーン・サークルあるいはドルメンが付属する。またストーンヘンジ遺跡は二つのストーン・サークルからなるが,それぞれ中央にドルメンおよびメンヒルが立っている。…

【祭祀遺跡】より

…北西ヨーロッパの新石器時代から青銅器時代にかけては,巨大な石で構築した各種の遺構の存在が目だっており,巨石記念物と総称されている。その代表例とされるイギリスのストーンヘンジや3000本近い立石を列に並べたフランスのカルナック列石(クロムレクcromlech)は,ともに太陽崇拝との関連が論じられている。 農耕祭祀とのかかわりとは無縁だが,日本の縄文文化にも環状列石(ストーン・サークル)がある。…

※「カルナック列石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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